『ワルプルギスの廻天』は、かなり人を選ぶ映画だと思う。
映像は圧倒的。考察材料も多い。『まどか☆マギカ』らしい不穏さもある。
それでも私は、観終わった直後に「面白かった!」とは言えなかった。
むしろ感想としては否定寄り。ただ、単純に「つまらない映画」だとも思っていない。
だからこそ今回は、なぜ『ワルプルギスの廻天』はここまで賛否が分かれやすいのかを、自分の感想も交えながら5つのポイントに分けて考えてみる。
ストーリーやラスト、伏線を先に整理したい人は、こちらの『ワルプルギスの廻天』完全ネタバレ解説もどうぞ。
理由① 映像はすごい。でも演出が“長い”と感じる
まず一番大きかったのがこれ。
『ワルプルギスの廻天』の映像表現は、本当にすごい。背景、色彩、カットのつなぎ方、異質な世界観。どこを切り取っても「まどマギらしい」と感じる。
ただ私は途中から、「この演出、ちょっと長くない?」と感じる場面が増えていった。
一つの感情や一つの情報を見せるために、かなり多くの映像表現を重ねる。その濃さを「最高」と感じる人もいれば、「話が進まない」と感じる人もいる。
ここがまず、評価が分かれる最大のポイントだと思う。
理由② ストーリーより“考察する楽しさ”を優先している
今回の映画は、一度観ただけで全部を理解するタイプの作品ではない。
新しい設定、新キャラクター、意味深なカット、象徴的なモチーフ。とにかく情報が多い。
これを「何度も観て考察できる!」と楽しめる人には、かなり刺さると思う。
でも私が映画に求めていたのは、考察材料の多さよりも物語そのものが大きく前へ進むことだった。
だから観終わったあとも、「いろいろ分かった」より「思ったより話が進まなかった」という感覚の方が残った。
考察を楽しむ人と、一本の映画としてのカタルシスを求める人。この違いでも評価はかなり変わると思う。
理由③ 新キャラを面白いと思えるかで印象が大きく変わる
『ワルプルギスの廻天』では、新しいキャラクターや新しい設定が物語の中心にかなり入ってくる。
シリーズの世界を広げるという意味では、必要だったと思う。
ただ私は、まどか、ほむら、さやか、杏子、マミたちへの思い入れが強すぎる。
そのため新キャラの場面が続くほど、「もっと既存メンバーを見たい」という気持ちが強くなってしまった。
逆に新キャラや新設定にハマった人からすれば、「まどマギの世界が一気に広がった」と高く評価できる部分でもある。
ここも完全に好みが分かれるところだと思う。
理由④ タイトルから期待した“ワルプルギス戦”とのズレ
これは私個人の期待が大きかった。
タイトルが『ワルプルギスの廻天』。
私はTVアニメのほむらVSワルプルギスの夜が大好きなので、映画館の大画面で、とんでもないスケールの戦闘が観られるのではないかと期待していた。
でも実際の作品が重視したのは、単純な「最強の魔女との決戦」ではなく、ワルプルギスの夜という存在そのものを掘り下げることだった。
これは作品として間違っているわけではない。
ただ、私のように「あの絶望的な戦いをもう一度見たい」と思っていた人ほど、肩透かしを感じやすいと思う。
理由⑤ 『叛逆の物語』のラストが強すぎた
そして一番大きいのは、前作『叛逆の物語』の存在。
『叛逆』のラストは賛否こそあったけれど、とにかく強烈だった。
ほむらがまどかを円環の理から引き離し、自ら悪魔になる。
歪んでいる。でも、ほむらという少女の物語としては、ものすごく印象的な終わり方だった。
私は正直、『叛逆の物語』で終わっていても綺麗だったと思っている。
だから新作には、それを超えるだけの大きな変化や決着を勝手に期待してしまった。
結果として『ワルプルギスの廻天』は、すべてを終わらせる作品というより、新しい問題を広げる作品に見えた。
その構造自体が、評価の割れる理由なんだと思う。
それでも高評価になる理由も分かる
ここまで否定寄りに書いたけれど、高く評価する人の気持ちも分かる。
- 映像表現が圧倒的
- 考察できる情報量が多い
- ワルプルギスの夜を新しい角度から掘り下げている
- シリーズの世界がさらに広がった
- 一度観ただけでは終わらない作品になっている
特に「全部説明されるより、自分で考えたい」というタイプの人には、かなり相性がいい映画だと思う。
私が一番残念だったのは、ほむらが報われなかったこと
結局、私の評価が低めになった最大の理由はこれかもしれない。
私は『まどか☆マギカ』をかなりほむら目線で見ている。
まどかを救うために何度も時間を繰り返し、一人で絶望し続け、それでも諦めなかった。
だから新作で見たかったのは、さらに大きな謎ではなく、ほむらが少しでも報われる瞬間だった。
でも今回も、私には「ほむら、まだ幸せになれないのか……」という感情が残った。
そこが一番つらかった。
まとめ|“何を期待していたか”で評価が真逆になる映画
『ワルプルギスの廻天』の賛否が分かれる理由は、作品の完成度が低いからという単純な話ではないと思う。
映像表現を楽しみたいのか。考察を楽しみたいのか。既存キャラの物語を見たいのか。『叛逆』の続きとして大きな決着を期待していたのか。
観客が何を求めていたかによって、同じシーンでも評価がかなり変わる。
私は、演出の長さ、テンポ、新キャラへの感情移入、ワルプルギス戦への期待、そして何よりほむらの救済という部分で、どうしても否定寄りの感想になった。
ただ、ここまで「なぜ自分には刺さらなかったのか」を考えたくなる時点で、やっぱり『まどか☆マギカ』は面白い作品なんだとも思う。
あなたは『ワルプルギスの廻天』、肯定派?否定派?
なお、ストーリーやラスト、伏線を詳しく振り返りたい人は、【完全ネタバレ】『ワルプルギスの廻天』ストーリー&ラスト徹底解説も合わせてどうぞ。


